今日は楽しい野外観察。テーマは「水」。場所は、ラウムのすぐ近くを流れる室見川の少し上流が選ばれた。
福岡市の西区と早良区を分ける室見河(1級河川)は、広く長い河畔公園を抱え、桜並木、白魚漁、アサリ取り、野鳥の飛来も多く見どころの豊富な、四季を通じた市民の憩いの場所である。
秋晴れの抜けるような青空の下、時折ふいてくる心地良い風を肌に感じながら、皆で歩いた約2時間 …何と良い時間を過ごすことができたことか。神様に感謝したくなった。
室見河畔に着いて、先ずは前回の「節穴」実験の余韻もあってか、木漏れ日を紙に映して観察を促す井手氏。…いくつもの層となって映る木漏れ日は美しい。何度見ても同じ像はひとつもなく、毎回新たな感動をもたらされる。
しばらくそこで過ごして、では川に向かう…かと思いきや、途中に小さな橋があり、その下を流れるクリークの水を観察するために立ち止まる。…井手氏の得意な自然観察、どうやらそこかしこのあらゆる事象に興味をそそられるらしい。
んっ?しかし待てよ、これはウォーミングアップかもしれないな。観察する際には絶対必要不可欠な、「ある種の意識状態」というものがある。皆がこのモードへうまくシフトできれば、その観察会は成功したと言っても過言ではなく、井手氏はそのことをよく知っているのだからして。
…で、やはりクリークでの体験は、次の観察のために有用な材料を提供し、また、わずかな時間の中で基礎となるものの見方を訓練させてくれた。

クリークを流れる水は浅いため、そこに現れている色や形をクリアに認識することができる。しかし逆に、一つひとつが鮮明であるために、目くるめくような複雑な現象が次つぎと生み出されることになる。
shadow…reflection…mirror…light…blaze…prism
水底に貼りついた光と影の織り成す模様がある。
かと思えば、水面に映る風景があり、無数の太陽が反射する。しかし視点が移動すればすぐにその像は消えて、別の像が現れる…水面には波という形があり、異なる種類の映り込みも複合的に変化するからだ。

秋の日の、静かな木陰で繰り広げられる光と影の相克…そこでは光が影を食うと言う。
水面では反映の空が、鮮やかな青に、時には紫色に輝く。
散り散りの太陽はいつしか重なり合い、白い反射面を作る。
ま昼の陽光を浴びて、蜘蛛の巣の描く虹色の同心円。
目をこらせば、私の影の頭から放射状に広がる後光が見える。
パノラマの空の彼方には、今だ猛々しい積乱雲とジェット気流、極薄の雲。
見るもの、聴くもの、触れるもの、感覚界の全てが渦となり、その真ん中にいる私の内側にも、さらなる渦が生まれ出す。

◆この講座の詳しい内容は らせん教室講義録に掲載されます。講義録は参加者が書き、それを井手氏が最終的にチェックしています。
ここで紹介する内容は教室のほんの1部、Gaonの個人的感想にすぎません。ご興味をお持ちになり、もっと知りたいと思われる方は、是非一度、教室にご参加ください。講義録も出版されています。詳細はらせん教室HPにて。